2007年03月01日(Thu)
今月の聖語[平成十九年三月]
今月の聖語をご紹介します。
=解説=「敵味方」 建治二年(一二七六年聖寿五十五歳)
提婆達多は、釈尊の従兄弟で弟子であったが、反逆し仏敵となった。深い学識を持ち神通力を持つ有能な人材であったが、釈尊の類まれなる風格と威厳に嫉妬したのか敵対し、新教団を創出し、新仏たらんとした。釈尊を殺そうと謀り破門された教団の破壊者、大悪人が提婆達多であった。
だが、仏敵提婆達多は、逆説的に釈尊の味方となった。釈尊第一の敵こそかえって第一の善知識であったと、言うのである。世間の例を見てもそれは言える。強敵が人を育て人を磨くのである。毒薬も変じて薬となるのである。
逆境にあってひたすら奮励された日蓮聖人。味方少なく敵多かった日蓮聖人の述懐の言葉である。
2007年02月18日(Sun)
川端康成を読む
k市につくと古美術yへ行った。川端康成の書いた店額を見たかった。お茶をいただき古写経を見て辞した。有名な「伊豆の踊り子」をちょっと読んだ程度だったが、このところ氏の小説や随筆を読んで、描かれた日常の生と死の境が淡いことを知った。むしろそれが真実なのだろう。そして戦争直後の風俗を伝える『千羽鶴』にたちこめている人々の心の細やかなことに驚いた。数十年後の私たちは別世界に住んでいる。用事を終えて、夜遅くお寺に帰ると、犬のジョンと猫のルイが待っていた。
2007年02月05日(Mon)
ニワトリの姿
どの街もシャッター通りが増え、郊外には大規模ショッピング・センターが生
まれている。人々は値段と物とを比べて、カートに次々に品物を投げ込んでいく。レジでは機械が値段を読み取る。袋に詰めて、車に投げ込めば買い物は終了。知り合いの店員さんは「きつい仕事」だと言う。私たちにも買い物の楽しみはあるのだろうか。鳥インフルエンザのニュースで見た、鶏舎で飼われている何万羽というニワトリの、餌を啄(つい)ばむ姿と似ている。私たちはどこに向かっているのかと心配になる。
まれている。人々は値段と物とを比べて、カートに次々に品物を投げ込んでいく。レジでは機械が値段を読み取る。袋に詰めて、車に投げ込めば買い物は終了。知り合いの店員さんは「きつい仕事」だと言う。私たちにも買い物の楽しみはあるのだろうか。鳥インフルエンザのニュースで見た、鶏舎で飼われている何万羽というニワトリの、餌を啄(つい)ばむ姿と似ている。私たちはどこに向かっているのかと心配になる。