今月の聖語をご紹介します。

＝解説＝「ぜんごん善根」弘安三年　聖寿五十九歳
実り豊かな収穫を得るには、それにふさわしい努力が必要である。何もせず、棚からボタ餅式ではどうしようもない。
田の苗も草を除き肥料を施し愛育の手をさしのべてこそたわわに実る。人も同様である。善き心根があってこそ、人生の花開き大果を得る。
よい果報を生むための善い原因・善い行為が善根。その善根功徳の積み重ねあって、豊かに栄え、命を美しくかがやかせる。光輝にみちた人生は、善根の有無による。善い果報を生ずる本が善根で、それが根本である。そのことなくては「必ずさかう」に結実しない。
燈に油・草に雨が必要条件であるように、大果報の前提は、善根である。

早朝の電栄寺を出て犬のジョンと散歩していると、コンビニ近くのゴミ置き場で何やら音がする。どうやらアルミ缶を集めている年輩の人がいる。ミツとアルミ缶の詰まった袋が自転車に山のように積まれている。これだけ集めていくらになるのだろうか。何だか胸が痛くなってくる。今年も押し迫った。何人かの親しい一人暮らしの老人の顔が浮かぶ。近いうちに美味しいものを持っていき、少しでも喜んで貰おう。

　お寺に来た若い方に「今日は何の日？」と尋ねると、暫く考えて「１２月８日は・・
・あ、そうだ！太平洋戦争が始まった日です」と答える。お釈迦さまがお悟りを開かれた日、と分かる人がいないのは寂しい。「消費拡大こそ景気回復の道！」との大合唱の中で、少欲知足の意味を考えたい。『平山郁夫のお釈迦さまの生涯』【博雅堂出版　お話名画シリーズ　\2,912+消費税】は、美しい絵が仏教の素晴らしさに気付かせてくれる。

ファオルのコメント

　そうだったんですね。知りませんでした。そういえば高校生の頃だったと思いますが、ジョン・レノンが殺害されたのもこの日だったような気がします。