2007年04月02日(Mon)
今月の聖語[平成十九年四月]
今月の聖語をご紹介します。
=解説=「積み重ね」 弘安元年(一二七八聖寿五十七歳)
雪は累年つみかさなって融けぬとよりすぐった水の精華、水晶となる。千年も過ぎれば氷は化して玻璃珠になるという。玻璃は水精、七宝の一つで水晶のことである。一所懸命の頑張り、精励、精進。混じりけをなくした精粋。これらは必ず尊い結 晶をもたらせる。「悪積れば地獄」というのも、それなりの結晶である。われらの願いは「善積れば仏となる」こと。善根功徳の累積は仏となるほかない。積悪の余殃、積善の余慶。大善の持続が大果を生む。大果とは成仏。信仰主体者は、このことにおもいをこめる。経に「積功累徳」と説く。余殃とは、悪事の報いとしてくる災い。その反対語が余慶である。
2007年03月26日(Mon)
無題
里山は春。電栄寺近くの光あふれる道路を家族を乗せた車がたくさん走る。何を急ぐのか、無理な追い越しも多い。先日、喫茶店で読んだ雑誌「サライ」の作家吉行淳之介のことばが心に残った。「絶対警笛を鳴らさない。そこから、タクシーとトラックは追い越さない。どんなに急いでいても、こっちは遊び、向こうは仕事」
「どうぞ、お先へ」と自分より人を大切に思うのは菩薩の生き方、お彼岸の心でもある。
「どうぞ、お先へ」と自分より人を大切に思うのは菩薩の生き方、お彼岸の心でもある。
2007年03月17日(Sat)
無題
四半世紀前のカンボジアの内戦ではじつは百五十万人が虐殺されたという。その間、有名な石造寺院群の荒廃が進み、テレビはその修復に取り組む上智大学の石澤良昭氏の姿を伝えていた。そこでは数年前に、十三世紀の廃仏で地中に埋められた二七四体の仏像が発見されている。虐待や廃仏を行う人間の恐ろしさに身震いする。先日、東京の古美術店にカンボジアの石像が置いてあり、優美なトルソーだった。同じ人間の造ったものとは到底思えなかった。