2007年03月01日(Thu)
今月の聖語[平成十九年三月]
今月の聖語をご紹介します。
=解説=「敵味方」 建治二年(一二七六年聖寿五十五歳)
提婆達多は、釈尊の従兄弟で弟子であったが、反逆し仏敵となった。深い学識を持ち神通力を持つ有能な人材であったが、釈尊の類まれなる風格と威厳に嫉妬したのか敵対し、新教団を創出し、新仏たらんとした。釈尊を殺そうと謀り破門された教団の破壊者、大悪人が提婆達多であった。
だが、仏敵提婆達多は、逆説的に釈尊の味方となった。釈尊第一の敵こそかえって第一の善知識であったと、言うのである。世間の例を見てもそれは言える。強敵が人を育て人を磨くのである。毒薬も変じて薬となるのである。
逆境にあってひたすら奮励された日蓮聖人。味方少なく敵多かった日蓮聖人の述懐の言葉である。