2008年09月12日(Fri)
首相もレンタル
昨今、ふだんとても手の届かない高級品をレンタルして楽しむ人がいるらしい。
車はベンツが6時間4万円、ブランドバッグは1日3千円。
「たまには、いいもんです」とお客は話していた。
考えてみると、私の人生、命でさえもレンタルだ。
仏教の経典『ダンマパダ』第62節にはつぎのように示されている。
「わたしには子がある。わたしには財がある」と思って愚かな者は悩む。しかしすでに自己が自分のものではない。ましてどうして子が自分のものであろうか。どうして財が自分のものであろうか。(『真理のことば・感興のことば』岩波文庫)
このように釈尊は述べられて、度を越えた執着をいましめられたのである。
だがレンタルだからといって、粗末にあつかってはなるまい。
ご縁によってたまたま自分のものになっている、と受け取るところに、ほんとうに命を大事にし、ものを生かす妙味がある。
ところで、つい先日の首相の辞任劇には驚いた。
一年ごとに首相が職務をドタキャンするようでは、首相職もレンタルではないか。いっそのこと、どこかの国の首相経験者をレンタルしてはいかがか。
車はベンツが6時間4万円、ブランドバッグは1日3千円。
「たまには、いいもんです」とお客は話していた。
考えてみると、私の人生、命でさえもレンタルだ。
仏教の経典『ダンマパダ』第62節にはつぎのように示されている。
「わたしには子がある。わたしには財がある」と思って愚かな者は悩む。しかしすでに自己が自分のものではない。ましてどうして子が自分のものであろうか。どうして財が自分のものであろうか。(『真理のことば・感興のことば』岩波文庫)
このように釈尊は述べられて、度を越えた執着をいましめられたのである。
だがレンタルだからといって、粗末にあつかってはなるまい。
ご縁によってたまたま自分のものになっている、と受け取るところに、ほんとうに命を大事にし、ものを生かす妙味がある。
ところで、つい先日の首相の辞任劇には驚いた。
一年ごとに首相が職務をドタキャンするようでは、首相職もレンタルではないか。いっそのこと、どこかの国の首相経験者をレンタルしてはいかがか。
2008年09月05日(Fri)
今月の聖語[平成二十年九月]
平成二十年九月の聖語をご紹介します。
=解説=「試練」 (一二七二年文永九年 聖寿五十一歳)
名刀は鍛えれば鍛えるほど、打てば打つほど出来栄えは見事である。歴史に名をとどめる賢人(けんじん)・聖人(せいじん)も悪口(あっく)雑言(ぞうごん)・罵詈(めり)誹謗(ひぼう)の嵐に耐え、それを試練として自己を磨いていった。悪口(あっく)罵詈(めり)のみならず刀杖(とうじょう)瓦礫(がりゃく)、流(る)罪(ざい)死(し)罪(ざい)がたえまなく見(み)舞(ま)い、それをばねとし試験台(しけんだい)として飛躍(ひやく)していったのが日蓮聖人の歩みであられた。
だからこそ、迫害者(はくがいしゃ)を己を磨き鍛える善知識(ぜんちしき)と言(い)ったのであるが、それは同時(どうじ)に先(せん)業(ごう)の重(じゅう)罪(ざい)を今生(こんじょう)の大難(だいなん)甘受(かんじゅ)を通(とお)して消(しょう)去(きょ)し、未来(みらい)の大苦(だいく)を軽(かる)からしめるという「転(てん)重軽受(じゅうきょうじゅ)」の教(おし)えを踏(ふ)み行(ゆ)くものであった。だから、困苦迫害に身をさらされた歩みは歎き(なげ)ではなかった、との回想の言葉を残されもしたのであった。
=解説=「試練」 (一二七二年文永九年 聖寿五十一歳)
名刀は鍛えれば鍛えるほど、打てば打つほど出来栄えは見事である。歴史に名をとどめる賢人(けんじん)・聖人(せいじん)も悪口(あっく)雑言(ぞうごん)・罵詈(めり)誹謗(ひぼう)の嵐に耐え、それを試練として自己を磨いていった。悪口(あっく)罵詈(めり)のみならず刀杖(とうじょう)瓦礫(がりゃく)、流(る)罪(ざい)死(し)罪(ざい)がたえまなく見(み)舞(ま)い、それをばねとし試験台(しけんだい)として飛躍(ひやく)していったのが日蓮聖人の歩みであられた。
だからこそ、迫害者(はくがいしゃ)を己を磨き鍛える善知識(ぜんちしき)と言(い)ったのであるが、それは同時(どうじ)に先(せん)業(ごう)の重(じゅう)罪(ざい)を今生(こんじょう)の大難(だいなん)甘受(かんじゅ)を通(とお)して消(しょう)去(きょ)し、未来(みらい)の大苦(だいく)を軽(かる)からしめるという「転(てん)重軽受(じゅうきょうじゅ)」の教(おし)えを踏(ふ)み行(ゆ)くものであった。だから、困苦迫害に身をさらされた歩みは歎き(なげ)ではなかった、との回想の言葉を残されもしたのであった。
2008年09月01日(Mon)
9.11がまた来る
「やつはそこにいる」という名コピーに惹かれてロイ・シャイダー主演の1982年制作米映画「ブルーサンダー」をみた。
驚いたことに、二十年後のワールドトレードセンターの崩壊と同じシーンがあった。
ロスアンジェルスの市街を飛ぶヘリコプターをミサイル攻撃する場面がそうだ。ミサイルははずれて、高層ビルを破壊する。それが二十年後の光景とそっくりなのだ。
あの夜テレビをみていたわたしは、たまたまチャンネルをかえると、最初の攻撃の直後だった。それが現実の出来事と気づくまでには間があって、まるで映画のようだと思ったものだ。
あれから七年、アフガニスタンで奉仕活動に励む伊藤和也さんが殺害された。
平和が訪れるまでに、いったいどれだけの人の血が流されるのか。
ご冥福を祈りたい。
そしてヒロシマ・ナガサキから六十三年、日本の平和はその犠牲の上に成り立っていることを、あらためて心に刻みたい。
驚いたことに、二十年後のワールドトレードセンターの崩壊と同じシーンがあった。
ロスアンジェルスの市街を飛ぶヘリコプターをミサイル攻撃する場面がそうだ。ミサイルははずれて、高層ビルを破壊する。それが二十年後の光景とそっくりなのだ。
あの夜テレビをみていたわたしは、たまたまチャンネルをかえると、最初の攻撃の直後だった。それが現実の出来事と気づくまでには間があって、まるで映画のようだと思ったものだ。
あれから七年、アフガニスタンで奉仕活動に励む伊藤和也さんが殺害された。
平和が訪れるまでに、いったいどれだけの人の血が流されるのか。
ご冥福を祈りたい。
そしてヒロシマ・ナガサキから六十三年、日本の平和はその犠牲の上に成り立っていることを、あらためて心に刻みたい。