アーカイブリスト
2007年03月26日(Mon)
無題
里山は春。電栄寺近くの光あふれる道路を家族を乗せた車がたくさん走る。何を急ぐのか、無理な追い越しも多い。先日、喫茶店で読んだ雑誌「サライ」の作家吉行淳之介のことばが心に残った。「絶対警笛を鳴らさない。そこから、タクシーとトラックは追い越さない。どんなに急いでいても、こっちは遊び、向こうは仕事」
「どうぞ、お先へ」と自分より人を大切に思うのは菩薩の生き方、お彼岸の心でもある。
「どうぞ、お先へ」と自分より人を大切に思うのは菩薩の生き方、お彼岸の心でもある。
2007年03月17日(Sat)
無題
四半世紀前のカンボジアの内戦ではじつは百五十万人が虐殺されたという。その間、有名な石造寺院群の荒廃が進み、テレビはその修復に取り組む上智大学の石澤良昭氏の姿を伝えていた。そこでは数年前に、十三世紀の廃仏で地中に埋められた二七四体の仏像が発見されている。虐待や廃仏を行う人間の恐ろしさに身震いする。先日、東京の古美術店にカンボジアの石像が置いてあり、優美なトルソーだった。同じ人間の造ったものとは到底思えなかった。
2007年03月01日(Thu)
今月の聖語[平成十九年三月]
今月の聖語をご紹介します。
=解説=「敵味方」 建治二年(一二七六年聖寿五十五歳)
提婆達多は、釈尊の従兄弟で弟子であったが、反逆し仏敵となった。深い学識を持ち神通力を持つ有能な人材であったが、釈尊の類まれなる風格と威厳に嫉妬したのか敵対し、新教団を創出し、新仏たらんとした。釈尊を殺そうと謀り破門された教団の破壊者、大悪人が提婆達多であった。
だが、仏敵提婆達多は、逆説的に釈尊の味方となった。釈尊第一の敵こそかえって第一の善知識であったと、言うのである。世間の例を見てもそれは言える。強敵が人を育て人を磨くのである。毒薬も変じて薬となるのである。
逆境にあってひたすら奮励された日蓮聖人。味方少なく敵多かった日蓮聖人の述懐の言葉である。
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