2007年03月17日(Sat)
無題
四半世紀前のカンボジアの内戦ではじつは百五十万人が虐殺されたという。その間、有名な石造寺院群の荒廃が進み、テレビはその修復に取り組む上智大学の石澤良昭氏の姿を伝えていた。そこでは数年前に、十三世紀の廃仏で地中に埋められた二七四体の仏像が発見されている。虐待や廃仏を行う人間の恐ろしさに身震いする。先日、東京の古美術店にカンボジアの石像が置いてあり、優美なトルソーだった。同じ人間の造ったものとは到底思えなかった。
2007年02月18日(Sun)
川端康成を読む
k市につくと古美術yへ行った。川端康成の書いた店額を見たかった。お茶をいただき古写経を見て辞した。有名な「伊豆の踊り子」をちょっと読んだ程度だったが、このところ氏の小説や随筆を読んで、描かれた日常の生と死の境が淡いことを知った。むしろそれが真実なのだろう。そして戦争直後の風俗を伝える『千羽鶴』にたちこめている人々の心の細やかなことに驚いた。数十年後の私たちは別世界に住んでいる。用事を終えて、夜遅くお寺に帰ると、犬のジョンと猫のルイが待っていた。
2007年02月05日(Mon)
ニワトリの姿
どの街もシャッター通りが増え、郊外には大規模ショッピング・センターが生
まれている。人々は値段と物とを比べて、カートに次々に品物を投げ込んでいく。レジでは機械が値段を読み取る。袋に詰めて、車に投げ込めば買い物は終了。知り合いの店員さんは「きつい仕事」だと言う。私たちにも買い物の楽しみはあるのだろうか。鳥インフルエンザのニュースで見た、鶏舎で飼われている何万羽というニワトリの、餌を啄(つい)ばむ姿と似ている。私たちはどこに向かっているのかと心配になる。
まれている。人々は値段と物とを比べて、カートに次々に品物を投げ込んでいく。レジでは機械が値段を読み取る。袋に詰めて、車に投げ込めば買い物は終了。知り合いの店員さんは「きつい仕事」だと言う。私たちにも買い物の楽しみはあるのだろうか。鳥インフルエンザのニュースで見た、鶏舎で飼われている何万羽というニワトリの、餌を啄(つい)ばむ姿と似ている。私たちはどこに向かっているのかと心配になる。